蜂はお花のなかに(オリジナル百合)
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32:名無しNIPPER[saga]
2017/09/03(日) 11:39:24.06 ID:uPmb6hplO
私の部屋にはベッドと勉強机と小さい本棚と、それからガラクタの詰め込まれた段ボールが一つ置いてある。
本棚には詩集が収まっていて、小さい頃に読んだ位で、内容は断片的にしか覚えてない。
母はいつも台所の方で寝ていて、元々はこの部屋で一緒のベッドで寝ていたのだけど、
私が大きくなって二人で寝るのがきつくなってきてからは、向こうで寝るようになった。
仕事も不規則で、夜の勤務が多いから、私も帰ってきて起きる羽目にならなくて済むので嬉しかった。
ちょっと、寂しかったけど。

「寝る?」

「うん」

今、同じサイズの人間が隣にいる。

「あ、目玉焼きとスクランブルエッグどっちがいいかな?」

明日の朝ごはんのことだ。

「どっちでもいいよ」

「好きな方は?」

どっちでもいいって言ってるのに。
会話が終わらないのも嫌だったので、ぶっきらぼうに、

「目玉焼き」

と答えて、壁の方に顔を向けた。

「わかった」

相手に背中を向けて寝るのは失礼なのかなとも思ったけど、
顔を突き合わせて寝るのも気まずいし、
どっちにしろ私はこの子がどう思おうが関係ないと思いたいのに、
どう接すればいいのかしばらく悶々とすることになるのだった。


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