59:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 23:00:10.54 ID:aDbJZUbB0
記憶の中で、そう言って笑う彼の幻影。その背後で咲き誇る花火。
その全てが、胸を焦がす黒い炎に変わり、粘つく吐き気を引き起こす。
「嘘ばっかり……」
拭う袖がふやけてもまだ、絶望と自己嫌悪に溺れた自分の救いにはならなかった。ただ垂れ落ちる水滴が、浴衣の黒地に吸い込まれては消えていった。
「ねえ」
背後からの声に彼女は顔を上げ振り向く。
「御坂、さん?」
102Res/60.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20