22:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:12:25.63 ID:55jPn/3I0
「『島村卯月』を造るなら、なぜ私はこのような中途半端な状態なんですか?」
そう、私の存在と同じで、中途半端もいいところだ。
人工物である筈なのに、まるで心があるように振る舞い、それが自然だと、自分でも思っている。
在り方として、ヒトでも機械でもない、なんでもない存在です。
「初めから『島村卯月』に類似する人格と記憶をプログラミングすれば、長い対話を必要とすることもないと思います」
こんな、自分の存在すらあやふやになる疑問を抱くことなんてなかった。
今のように疑問を抱くこともなかった。『島村卯月』として存在していた筈です。
「それに――」
ギュッと手を握って、溢れる言葉を押し込めようと心を閉じようとする。
けれど、暴れはじめた私の心は止まりません。
プロデューサーさんは、顔を崩さないで私を見守っています。だから、言葉はどんどん溢れてしまいます。
「それに、『島村卯月』を演じるのは、私よりも生身の人間の方がいいはず、です」
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