■■「島村卯月をはじめましょう」
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21:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:11:17.82 ID:55jPn/3I0
 プロデューサーは、静かに首を横に振りました。

「近いけれど、違うわ。今聞いているのは、アナタがアイドルになりたいのか、よ」

「だとしても、『島村卯月』の人格を模した人工知能がアイドルになると言うことは、アイドル『島村卯月』を再現することと似通っています」

「そうね――でも、ちょっとだけ違う」

 分かりません。

「アタシはね、アナタにアイドルになってもらいたいの――アナタとして、『島村卯月』になって欲しいの」

 それが、本当に分かりません。
 ならなんで、私のことを『島村卯月』と定義したのだろう。

「――分かりません」

 言葉が、溢れていました。
 プログラムされた動作かもしれません。けれど、まるで人間のように、浮かんだ言葉が心から溢れていました。

「とっても素敵なことだと思います――だけど、それなら、なんで『島村卯月』なんですか?」

 島村卯月として名付けられた人工知能ではなく、『島村卯月』なのですか?



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