16:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:05:19.97 ID:55jPn/3I0
「そうだっ」
ぴょこぴょこと、スキップしながら鏡の前に立ちます。
鏡の中には、制服姿の私の姿。ピンと背筋を伸ばせば、少しだけカッコよく見えます。たぶん。
「えっと、確か」
立体パネルを仮想空間に展開します。衣装を検索――ありました。
「えいっ」
パネルを選択すると、あっという間に私の服が切り替わります。
ピンク色のステージ衣装。くるっと回ると、スカートがふわりと揺れます。
狂っているほどに正確な物理演算です。
これは、プロデューサーさんとは別のスタッフさんが作ってくれたデータだそうです。
『女の子なのに、ずっと同じ服なんて嫌でしょう?」
なんて、顔を合わせるたびに新しくお洋服をくれます。
どれも可愛らしいお洋服。着替えもいらずにパッと着替えられるのだけは、この身体でよかったと思っています。
持ってきたスタッフさんの目が、心なしか狂気で濁っていたような気がしますけど、とっても嬉しいです。
「……似合うかなあ」
プロデューサーさんに見せたら、きっと似合うって言ってくれるでしょう。
でも、この衣装はなんのためにあるのかな。
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