108: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/09/29(金) 20:00:49.83 ID:U37eLnDj0
何でそんなことを言うんだろう。
ウチは、別にそんなこと思っていないのに。
「だって、ここ暫くで仲良くはなれたと思ってるけどさ……最初はある意味、下心満載だったわけだし」
109: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/09/29(金) 20:01:17.50 ID:U37eLnDj0
真面目な雰囲気が解けて、軽く項垂れるお兄さん。
……さっきの原田さんとのやり取りといい、いつもこんな感じなのかな?
やっぱりお兄さんはお兄さんなんだななんて、ちょっとだけ安心した。
「まぁ、そんなわけでさ。海ちゃん」
110: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/09/29(金) 20:01:47.70 ID:U37eLnDj0
「もう全部喋っちゃったからさ。改めて言うよ」
「う、うん」
111: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/09/29(金) 20:02:21.68 ID:U37eLnDj0
「……そうだねぇ。まずはありがとう、お兄さん。ウチみたいなガサツで可愛げのない女に、そこまで言ってくれて」
「……」
「この前逢った時も、言ってくれたよね。ウチは輝ける人だってさ」
112: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/09/29(金) 20:02:47.92 ID:U37eLnDj0
「でも、ゴメン」
「……理由、聞いてもいい?」
「うん。本当にさ、プロデューサーがそう言ってくれたのは嬉しかったよ。ウチのこと、認めてくれた気がして」
113: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/09/29(金) 20:03:22.15 ID:U37eLnDj0
「けどさ。前も言ったみたいに……ウチはやっぱり、自分が輝くよりも、人を輝かせるモノを、作りたいから」
「……あぁ」
「ウチのデザインした服で、バッグで、アクセサリーで! その人の魅力をもっと引き出せたら素敵だなって、思うからさ」
114: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/09/29(金) 20:03:53.74 ID:U37eLnDj0
「ん、そっか。それなら仕方ない、か。あーあ、振られちゃったなぁ……俺、ちょっと泣きそうかも」
「ちょ、お兄さん! 言い方!」
「いやまぁ、振られたのは事実だし」
115: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/09/29(金) 20:04:24.59 ID:U37eLnDj0
「……さ、それじゃあ俺は帰るかな」
ひとしきり笑いあったあと、お兄さんはそう言う。
言われてみれば日は更に傾いて、もう1時間もすれば夜、という時間になっていた。
116: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/09/29(金) 20:05:06.72 ID:U37eLnDj0
●
「……よかったの、プロデューサー?」
「まぁ、仕方ないよ。振られちゃったからなぁ」
117: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/09/29(金) 20:07:14.87 ID:U37eLnDj0
今日はここまで。あれよあれよというまに2ヶ月空いてしまいました。
もう読んでいる人も、少ないかもしれないけれど……それでも完結させたいので、頑張ります。
ちなみに、今回の投稿分の「お寺」や「神社」は全部モチーフとなった場所があります。
特に神社の方は分かる人はわかる……かも?
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