モバP「ブラックホールは避けきれなくて」
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3: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:24:28.12 ID:J2BrVGck0
蒸し焼きにされたような熱い体を、ビルのエントランスのよく効いた空調が冷やしてくれる。
本当、外もこれくらい涼しければなとは思うのだが。
実際冬になればこれよりも『涼しく』なるというのに、ヒトはそれに対しても文句を言うのだから勝手なものである。
誰に充てるでもない自嘲めいた冗談を頭の中で笑い飛ばしながら、俺は自身の所属する部署の階のボタンを押す。

以下略 AAS



4: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:25:08.58 ID:J2BrVGck0
「外、ひどく暑いですね」

「ああ。うちも早いところ私服通勤オッケーにしてくれねーかなー」

「他の部署では、私服の人、よく見かけます」
以下略 AAS



5: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:25:40.91 ID:J2BrVGck0
〜〜〜〜〜〜
夜。

「おや、アーニャ、まだ居たのか。帰らないとまずいんじゃないか」

以下略 AAS



6: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:27:05.75 ID:J2BrVGck0
「なかなか、綺麗でしょう?」

「うーん、本当だ。東京でもこんなにはっきり夜空を望めるなんて思っても見なかった」
「これは夏の大三角だね」

以下略 AAS



7: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:27:33.56 ID:J2BrVGck0
〜〜〜〜〜〜
「冬の大三角かぁ」

「?」

以下略 AAS



8: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:28:13.67 ID:J2BrVGck0
沈黙が俺らを包む。見おろすと葉脈のように繰り広げられる幹線道路に、白と赤の光がアリのようにぞろぞろと動いているのが見える。
その脇には、大小様々なビルが放つ残業の光が煌々と光っていた。

空に比べると、ここは高さがあるとはいえど、やはりアーニャの言うように東京の光は"うるさい"。

以下略 AAS



9: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:28:40.65 ID:J2BrVGck0
再度の沈黙。それを再び破ったのは俺。

「オリオン座、なんで好きなの?」

我ながらなんて話の切り出し方だよと心の中で頭を抱える。
以下略 AAS



10: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:29:17.36 ID:J2BrVGck0
「ベテルギウスは……もしかしたら、今はもうないのかもしれません」

「え、どう言うこと」

「ベテルギウスは、赤色超巨星で、人間でいうとおじいちゃんなんです」
以下略 AAS



11: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:30:01.02 ID:J2BrVGck0
〜〜〜〜〜〜
翌朝。やたら眩しい光に起こされた。そういや、昨日はアーニャを見送ったあと、そのままここで寝ちまったんだった。
うーん、こりゃまた部長のお説教コースか。

なんて憂いていると、アーニャが事務所に飛び込んできた。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage]
2017/07/08(土) 00:31:12.47 ID:csvIZnpA0



13: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:31:35.31 ID:J2BrVGck0
外を見てみると、太陽の他に一際目立って光り輝く青い光点が2つ、確かに認められた。
道理でクソ眩しいわけだ。てかこれ気温どうなってんだ。光量がこんなんだから気温も地獄だろ。

「あれま、こりゃぁ大変だな。外、大騒ぎだろ。テレビつけるか」

以下略 AAS



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