3: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/08(土) 00:24:28.12 ID:J2BrVGck0
蒸し焼きにされたような熱い体を、ビルのエントランスのよく効いた空調が冷やしてくれる。
本当、外もこれくらい涼しければなとは思うのだが。
実際冬になればこれよりも『涼しく』なるというのに、ヒトはそれに対しても文句を言うのだから勝手なものである。
誰に充てるでもない自嘲めいた冗談を頭の中で笑い飛ばしながら、俺は自身の所属する部署の階のボタンを押す。
耳が突っ張る感覚がするたびに耳抜きをしながら(随分慣れたものだ)エレベータの表示ランプがが目的の階に近づくのをぼんやりと眺めていた。
事務所の階にたどり着いた。そんな俺を出迎えたのは。
「プロデューサー、お帰りなさい」
「あぁ、ただいま、アーニャ」
この事務所のアイドルである、アナスタシアだった。
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