4:名無しNIPPER[saga]
2017/07/03(月) 18:35:47.05 ID:pTAgI72RO
ユ「分かったよ! 勇者の末裔でいいよ面倒くさいな! 勇者の末裔な! はいはい!」
だが、俺は老人以外の場所では勇者と名乗ることを決めた。だって勇者と言ったら、年収ガッポガッポなんだろう? 他の奴らからも尊敬の眼差しで眺められるんだろう? 名乗っておいて損はないはずだぜ。
勇者「魔王を倒すには、どこへ行けばいい」
老人「この街から南に出ると、ヒースの咲き乱れる桃色の原野が広がっております。原野を抜けて、パピプペポ山を登りなさい」
勇者「そのパピプペポ山とやらに、魔王の城があるのか?」
老人「いえ、そこには山小屋があります。簡素なベッドに年を経て硬くなったパン。火の消えかけた暖炉がございます。一夜を明かすのには、ギリギリ丁度いいかと」
勇者「オイ! 俺は不動産屋に来てるわけじゃあないんだぜ。さっさと勇者様に道案内をしろや、この薄汚れたボロ雑巾がよ〜!」
老人「増長なさるな増長なさるな」
勇者「増長なんかしてないぜ! キレかけただけだ! 武器と盾と馬と食料を寄越せ!」
老人「申し訳ございません。貧しい私はこれしか用意できません」
老人が渡したのは、ひのきの先端を削って作った槍だった。逆上した俺は、即座に老人を突き殺し、べっとり血のついた金貨をポケットに押し込んだ。これで、俺も晴れて勇者デビューだぜ! イェイ!
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