勇者「勇者なんてクソ喰らえ」
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15:名無しNIPPER[saga]
2017/07/04(火) 18:20:08.36 ID:z7qpNiwHO
俺の名はユ・ウシャー。騎士学校からドロップアウトして勇者に転職。社会の鎖から解放され、意気揚々、魔王城へいざ行かんと故郷ジャララバードを出立した……はずだった。
それがヒースの原野で変態騎士に追いかけ回され、川に落ちて、暴力女の配下になっている。
朝から歩き続けて、もう日暮れ。脚が痛くて、これ以上進めそうにない。

勇者「ったく、嫌な世の中。勇者なんてクソ喰らえだ。やってられっか」

疲弊しきった俺の目に、ふと『INN』の三文字が飛び込んできた。

勇者「アイシャ! 宿屋があるぜ!」

アイシャ「宿屋? どこだい」

勇者「ほら! あそこだよあそこ! 茂みの向こうにINNの看板が輝いてるだろう!」

アイシャ「……勇者、そいつぁ罠だ。疲れた旅人が泊まるのを狙っているのさ」

勇者「狙う? 誰が」

アイシャ「魔族が」

勇者「ヘッ! 戯言を申しなさるな。もうすぐパピプペポ山。旅人が準備を整える場所として最適じゃあないか! アイシャ、俺は行くぞ!」

俺は荷物を放り出して、茂みをかき分けた。
むむ、なんと素晴らしや。こんこんと湧き出す綺麗な泉と、こじんまりとした丸太小屋があるではないか。扉を乱暴に殴りつける。

勇者「一文無しだが無理やり泊まってやる! お頼み申す! お頼み申す! パピプペポ山を越えようとしておりましたが、日も暮れ、難儀しちょります! 一夜の宿を貸してくだされ!」

「ハ〜イ、少々お待ちなさい」



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