10:名無しNIPPER[saga]
2017/07/04(火) 09:10:11.06 ID:z7qpNiwHO
アイシャ「魔王の居場所ねぇ……その前にひとつ、あたしの頼みを聞いちゃくれない? あんた、勇者様なんだろ?」
勇者「ああ、いかにも。ところで図々しいとは思うけどさ、腹が減ってるんで飲み食いできる物はあるかい?」
アイシャ「もちろんあるよ。依頼料と考えれば安いものさ。ついてきな!」
川を泳いで渡ったアイシャは、赤々と燃えている焚火に近寄った。串の刺さった魚が焼いてある。うわ……オニギリじゃねーのかよ。内臓とかきちんと取ってあるんだろうな? クソが。
アイシャ「ほら食べな。あんたの身体は冷え切ってる。魚を食べて、ホットにしてかないと魔素に冒されて死ぬよ」
勇者「魔素ってなんだ?」
アイシャ「魔王が魔族以外の生命体を滅ぼすために振りまいた、エネルギー体みたいなモンだよ。子供、老人、病気持ちが特に冒されやすい。冒されたら最後、死ぬか魔族の仲間入りかどちらかを選ばされるんだ」
勇者「魔王も物騒なことしやがるなァ。オイ、これ頭も食べなきゃなんねーの?」
アイシャ「あたしは頭から尾鰭まで全部食べるけどね。要らないんなら、もらうよ」
勇者「悪ィな、頭と尾鰭だけ喰ってくれ。あと内臓もいらねぇ。他に食い物は?」
アイシャ「あたしの職業知ってる? 狩人は自給自足の生活を送ってるんだ。今日の朝餉は魚の丸焼きだけで勘弁してくれ」
勇者「はー、分かったよ。正直、ここにふわふわの白パンがあれば最高だったんだが」
アイシャ「調子いいこと言わない!」
勇者「で、相談てなに」
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