真姫「アイリスのはなことば」
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227:名無しNIPPER[saga sage]
2017/06/29(木) 00:55:23.97 ID:mwOZ0t6Co

「……ぐッ……うがぁぁあッ――」


アイリスの側まで駆け寄ると用意していたカッターで手首を切って血を流した


鬼は日常生活の中で枷を付けて生活している

本来の力を抑えていなければ主である人間に危害を与えてしまう為だ


その枷を外すには主である真の血が必要だった


「……やばい、逃げようご主人」


仰向けに倒れている死神を見て呟く葵


「アイリス……起きるんだっ、アイリスッ!」


流れ落ちた血はなにも変化なくアイリスの顔を汚すだけだった


「…………」


真姫はぼんやりとする意識の中でその光景を眺めていた


「ダメだッ、死んじゃダメだアイリス!!」


以前、病室で会った時、言っていたことを思い出す

アイリスには大事な人がいると

それを聞いた真姫は羨ましく思った


それがこの人なのかな、と真姫は思った


「――あい…ちゃん……」


掠れた声で名前を呼んだ


「――……」


すると突然、床に転がっていた人形が形を変えた

小さな人形が大トカゲの姿へと変化する

真から流れていた血がアイリスの口へと移動を始めていた


「アイリス……!」


垂れ流れる血が全て横たわるアイリスの口へと向かっていく


それは異様な光景だった



「ご主人! 逃げよう!!」


葵が叫ぶ



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