北沢志保「あなたと黒猫、あるいは私」
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4:名無しNIPPER[saga]
2017/06/23(金) 00:08:39.45 ID:MYMtcl9/0
「……君は、どこから来たのかにゃ」

 尋ねると、にゃあ、と答えられる。しかし、私には猫語がわからない。

 ずっと部屋のすみっこにいるのも何なので、私は猫を連れて先程まで座っていた場所へと向かう。猫を膝の上で撫でながら、台本を読む。

「シャワー、浴びてきたぞー」

 そうしていると、プロデューサーさんが髪を拭きながら帰ってきた。スーツではない彼を見るのは新鮮で、少しの間見つめてしまう。

「? なんだ、志保」

「スーツじゃないんですね」

「用意してなくてな。さっきのスーツを着て戻ったら志保に怒られそうだし」

「そのスーツは、今」

「自然乾燥中。あそこまで濡れたら、一回クリーニングに出した方がいいかな」

「そうですか」

 でも……やっぱり、プロデューサーさんはスーツの方がいいかも。私は台本を置いて、猫をプロデューサーさんに預ける。



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