北沢志保「あなたと黒猫、あるいは私」
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3:名無しNIPPER[saga]
2017/06/23(金) 00:08:00.67 ID:MYMtcl9/0
 そう言って、プロデューサーさんは私の腕にいる猫を撫でる。猫はくすぐったそうにして、「みゃあ」と鳴いている……というか。

「……プロデューサーさん。当たりそうなんですが」

「当たりそう、って――あ」

 プロデューサーさんが固まって、慌てて腕を引っ込める。……もう。そんなプロデューサーさんを見て、私はくすくすと笑ってしまう。

「当たっていたら、セクハラでしたね」

「……志保。お前、そういうこと言うタイプだったっけ」

「さあ?」

 言うタイプでは……なかったような気がする。しかし、今のはプロデューサーさんを困らせたかっただけ――って、この発想自体、昔ならしなかったかも。

 そんなことを思っていると、「くしゅんっ」とプロデューサーさんがくしゃみをした。そうだ、そう言えばそうだった。

「プロデューサーさん、シャワーを浴びてきて下さい。この子は……まあ、私が見ておくので」

「ん。頼む」

 プロデューサーさんを見送ると、私と黒猫の二人きりになる。「にゃあ」と鳴いて、猫は私に身体を擦り付ける。……この子、ずいぶんと人懐っこいな。



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