1:名無しNIPPER[saga]
2017/06/23(金) 00:06:12.11 ID:MYMtcl9/0
「ただいま」
「お帰りなさい、プロデュー……何ですか? それ」
「いやー……ちょっと、拾っちゃって」
拾っちゃって、って……呆れながら、彼の腕にいる黒いモップのようなものを見る。そのモップはにゃあと鳴き、プロデューサーさんのスーツに泥を擦り付ける。
「……もう」
私は棚からタオルを一枚……いや、二枚取り出して、プロデューサーさんに渡す。
「お、ありがとう、志保」
「どういたしまして。あと、その子も」
「ん? こいつか?」
プロデューサーさんは言いながら、タオルで猫の身体をわしわしと拭いている。猫はくすぐったそうに身をよじらせて、その拍子に水があたりに飛び散っていた。
「……その子は私が拭きますから、プロデューサーさんはまず自分の身体を拭いて下さい」
「でも、汚れるぞ? こいつ、結構汚いからな」
「そんな気遣いをする前に、自分の身を気遣って下さい。……シャワーでも、浴びてきたらどうですか?」
外は土砂降りだったはずだ。タオルで拭いたところでどうにかなるものではない。このままだと風邪をひいてしまうかもしれない。
「ん、そうだな。ついでにこいつも――」
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[saga]
2017/06/23(金) 00:07:09.70 ID:MYMtcl9/0
そうやってプロデューサーさんが手を伸ばすと、「にゃっ!」と猫はプロデューサーさんから離れようとしているのか、私の腕の中で身をよじらせる。
「……シャワー、嫌いなんですかね」
「そうかもな。こいつ、野良じゃないのか?」
3:名無しNIPPER[saga]
2017/06/23(金) 00:08:00.67 ID:MYMtcl9/0
そう言って、プロデューサーさんは私の腕にいる猫を撫でる。猫はくすぐったそうにして、「みゃあ」と鳴いている……というか。
「……プロデューサーさん。当たりそうなんですが」
「当たりそう、って――あ」
13Res/7.89 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20