75: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:52:39.55 ID:5UUNa7QZ0
「どうせなら美羽もいた方が……いや、いいか」
「気になる言い方しないでよ、プロデューサー。美羽がなんなの」
くみちーの口調は刺々しい。最初から喧嘩腰だ。
「ちょっとくみちー、落ち着いてって」
「落ち着いてるわよ」
「いいんだ、未央」
プロデューサーは力なくいった。
「言い方が悪かった。三人に関わることなんだから、美羽もいた方がいいと思ったんだ」
「だろ?」と確認すようにくみちーに目を向けた。
くみちーは気まずそうに視線を逸らした。肩腕を落ち着かなさそうにさすっている。
「それで……なに」
くみちーの言葉に、プロデューサーははっと我に返った。
「あ、ああ。そうだな」
プロデューサーはすぐに答えなかった。落ち着かなそうに指を重ねていたけど。
「さっきまで会議があった。ライブの企画会議」
「えっ?」
私は唖然とした。
「ちょっと待ってよ、会議って来週じゃ」
確かにそう言っていた。くみちーも驚きの声をあげた。
「そうよ。そう言ってたじゃない」
「想定より提案が多くてな、複数に分けることになったんだ。一次と二次って形に」
「待ってよ、ってことはじゃあ」
「ああ、未央の案ももう会議にかけられた」
どきりとした。
「……どうなったの」
私の問いにプロデューサーはあくまで淡々と答えた。
「結論から言えば、企画は通らなかった」
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