76: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:55:00.04 ID:5UUNa7QZ0
体からすっと力が抜けた。
嫌な予感はしていた。
それでも、もしかしたらとどこかで期待していたのに。
「そんな……」
「ただし、落ちた訳でもない」
「? どういこと」
プロデューサーの続けた言葉に、私は眉をひそめた。
「保留って形になったんだ。意見が割れて。先日の一件もあったしな」
先日の一件とは、みうみうの生放送での発言だろう。
みうみうを気にしたのも、その話題に触れるからというのもあったのかもしれない。
「正直言えば、あの行為自体はかなり反感を買ってる。出過ぎた真似だって言う人もな」
「でも!」
机に身を乗り出しそうだったくみちーを、プロデューサーは手で制した。
「ああ、行為自体は反感を買ってるけど、マイナスに働いたばかりじゃない。少なくとも美羽がああした理由は伝わってる。その情熱については、みんな納得してるんだ」
「なら、なんで」
「……前に話した理由と一緒さ」
「私たちのイメージの都合ってこと?」
プロデューサーは頷いた。なんだか投げやりに。
「そうさ。今さらサンセットノスタルジーなんか出して、どうするんだってことさ」
吐き捨てるように言ったプロデューサーに私は耳を疑う。
「今さらですって?」
呆然としてた私の横で、くみちーは眉間にしわを寄せていた。
「ああ。もうお前たちには色んな活動も、色んなユニットもある。三人とも人気が出て、どんどん忙しくなってる。
今さらサンセットノスタルジーを引っ張り出してきてもお荷物だとさ」
プロデューサーの言葉に、私はショックを受けて。
それ以上に当惑した。
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