54: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:24:34.54 ID:5UUNa7QZ0
「それは――」
「未央ちゃんだよね」
袖を通したシャツの伸ばしながら、あーちゃんが言った。
私は驚いてあーちゃんを見た。
あーちゃんは私なんて気にしていないように、淡々と準備を進めていた。
「ほう、未央ちゃんがですか! それは本当なのですか?」
「そうだけど……あーちゃん、くみちーから聞いたの?」
当たり前だがニュースを見ても私が提案者であることなどは一言も出ていない。あーちゃんが知っているならば、くみちーから聞いたかと思ったが。
「うんうん。ただ、そうかなーって思っただけ」
そう、あーちゃんは笑った。
「やっぱり、そうだったんだ」
その笑顔は、いつものあーちゃんのはずだったのに、いつもと違うように思えた。
「藍子ちゃん?」
同じものを茜ちんも感じたのか、あーちゃんを不思議そうに見つめていた。
「待たせてごめんね。ほら、早くレッスンに行こっ」
そう促したあーちゃんは、先に更衣室を出ていった。
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