55: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:26:25.39 ID:5UUNa7QZ0
ストレッチの間も、あーちゃんはいつものようにふるまっているのに、どこか距離を感じた。
言葉にならないぎこちなさが漂ったまま準備を続けていたが、レッスンが始まればそんなものは消し飛んだ。
なにもかもが滞りなく進んで、だからこそ胸のざわつきは広がっていった。
レッスンもあっという間に終わり、私達は更衣室へ戻ってきた。
スマホにはメッセージが入っていた。しまむーからラテアートの写真、美嘉ねえから予定確認。
そしてメールがみうみうから。
『今、事務所にいるの? なら会いに行っていい?』
どうやら、つっちー達から聞いたらしい。つっちーとのやりとりが頭にひっかかったが、昨日のこともある。
近いうちに会おうとは約束していたが、具体的な日取りは決まっていなかった。
私は了承のメールを送った。
「未央ちゃん、藍子ちゃん。これからご飯を食べに行きませんか!」
既に着替えを終えていた茜ちんが、鞄を肩にかけながら聞いてきた。
少し乱れた髪型を気にしていたあーちゃんは、手を止めて頷いた。
「いいよ。私は」
「ゴメン、私パス。この後ちょっと用事入っちゃって」
「そうですか。それは残念です」
素直にがっかりしてから、茜ちんは襟元を確認。鞄をかけ直した。
「では私は喉が渇いたので先に出ていますね。自販機の前で待ってますので!」
「うん、わかったよ」
「では」と元気に言ってから茜ちんは更衣室を後にした。
残されたのは私とあーちゃんだけ。
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