56: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:27:08.56 ID:5UUNa7QZ0
二人きりになるように、茜ちんが気を使ってくれたのか。
そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
どちらにせよちゃんと話すチャンスだ。
黙々と着替えるあーちゃんに、私は尋ねた。
「……ねえ、あーちゃん。怒ってる?」
「どうしたの、いきなり」
手を止めたあーちゃんは、私に不思議そうに首をかしげた。
「いや、なんか朝から様子がおかしくないかなって……思って」
「怒るなんてことないよ。それに、なんで怒ったと思ったの?」
「それは……」
私は上手く答えられなかった。こっちから聞いておきながら、あまりにも情けない。
結局、あーちゃんから切り出されてしまった。
「サンセットノスタルジーのこと?」
「……かな。やっぱり」
私だって予想はついていた。なのに、いざ言おうと思うと口がいうことを聞かなかった。
あーちゃんは微笑んだ。
「なんで怒ってると思ったの? 私達に秘密で進めてたから?」
「秘密って訳じゃ……第一、まだ企画段階だしどうなるか」
「でも、企画を提案したのは未央ちゃんでしょ?」
「だから、その……」
謝ろうかと思ったが、言葉は喉でつかえる。
そもそも、なにを謝るというのか。悪いことをしたわけではないのに。
悪いことをしたと、私は思ってしまっているのか。
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