本田未央「Re:サンセットノスタルジー」
1- 20
57: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 21:28:10.65 ID:5UUNa7QZ0


 言いあぐねた結果、できあがった会話の空白は沈黙が埋めることになった。


「あの時だよね」


 沈黙を退かしたのは、あーちゃんだった。


「忘れものって言った時。あの時に言いに行ったんだよね」


 驚きのあまり言葉を失う。そこまで見抜かれていたなんて。私の反応を見て、あーちゃんは笑んだ。

 その仕草は、ひどく寂しそうで胸が痛くなった。




「私ね、別にいいと思うよ。未央ちゃんのやりたいことを私が止める権利はないし……でもさ、未央ちゃんはそんなに抱えることができるの? ニュージェネもあって、ポジパもあって……」

「あーちゃん……」

「私は、ポジパだけで精いっぱいだよ」


 静かに呟いたあーちゃんの瞳は私を捉えていた。

 瞳に瞬いた悲しげな煌きに、息が詰まった。

 それもつかの間。視線を逸らしたあーちゃんは、小さく俯くと荷物を抱えた。


「じゃあね、未央ちゃん」


 去り際に言った時には、私と目を合わせようともしなかった。
 









<<前のレス[*]次のレス[#]>>
165Res/216.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice