110: ◆saguDXyqCw
2017/06/18(日) 23:22:26.48 ID:5UUNa7QZ0
「ち、違うって。未央ちゃんのせいじゃないって」
みうみうが笑いながら言った。引きつった不器用な笑みだった。
「なんか色々あったんだよ。色々。ねえ?」
「そ、そーですよ。色々あったのですよ!」
茜ちんがうんうんと頷く。
「色々ってなに。いってみてよ、みうみう、茜ちん」
「あーっと……それは」
「ですね……」
とたん、二人とも押し黙ってしまった。
壁にかかった時計の針が進む音が、嫌に室内に響いていた。
焦燥感が胸の内を焦がしていた。
誰かに答えを求めて視線を向けるが、あーちゃんもくみちーも答えなかった。気まずそうに視線をそらしただけだった。
答えは分かっている癖に、そんなことはないと言って欲しかった。
「ああ、そうだ」
はっきりとした肯定が、私の心を凍りつかせた。
プロデューサーだった。
私はプロデューサーの顔を見る。私だけじゃなくて、他のみんなもプロデューサーを見ていた。
「お前が倒れたとき、部長も丁度事務所にいてな。騒動が耳に入ったんだ。それで部長が中止命令を出した」
「待って……その……なんでサンノスなの?」
倒れただけでは、単なる過労で済まされたはずだ。
それに倒れたのはポジパのレッスン中だ。サンノスが中止になる由縁はないはずなのに。
「それは……」
プロデューサーは言いあぐねるように頭を掻いていたけど、続けた。
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