八幡「異本・たとえばこんなバースデーソング」
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69: ◆A95oCT.s2k[sage saga]
2017/06/18(日) 20:34:28.29 ID:/+LAMdvF0
「隼人君に優美子、とべっち達にいろはちゃん、さいちゃんにさがみん、ゆきのん、小町ちゃん、中二に……みんながお祝いしてくれた事もそうだけど。一番嬉しかったのは、ヒッキーがみんなと一緒にいてくれた事なんだ」

「由比ヶ浜……」

 その時だった、不意に背中に感じる、とても温かく、柔らかい感覚。


「ねえヒッキー、少し、こうさせて」

 ぎゅっと、由比ヶ浜が俺を後ろから抱き締める。


「…………」

「…………」

 沈黙が続き、それに呼応するように鼓動が高まっていくのを自分でも感じる。

 しばらく無言でいる俺に、由比ヶ浜の声がかけられる。


「ヒッキー、あのね、あたし…………ヒッキーの事…………好……」

「由比ヶ浜」

 ”その言葉”の続きを遮る様に、俺は由比ヶ浜の声を止める。


「ヒッキー……」

「そこから先はまだ……言わないでくれ」

 俺の声を聞くや否、弾けたように由比ヶ浜の声に嗚咽が混じる。


「っっ……ヒッキー……だめだよ。もう……」

「だめだよぉ……止まらない……止まらないよっ……あたし、ヒッキーが……」

 声に合わせるように、由比ヶ浜が俺を強く抱きしめる。

 その声が、抱きしめる力が増せば増す程、俺の中に感情が流れて来る。

 だが、その気持ちを必死で抑え、俺は続ける。


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