68: ◆A95oCT.s2k[sage saga]
2017/06/18(日) 20:32:12.67 ID:/+LAMdvF0
× × ×
それからしばらく。
飲めや歌えやの祭りが終わり、後片付けも済んだ頃、夕日が差し込む教室で1人、俺は窓の外を眺めていた。
葉山達は二次会という事で、例のカラオケ屋へ向かったらしい。
後程合流する話だが、ああいうリア充全快な場はどうにも肌に合わず、未だに行こうか帰ろうか、俺は悩んでいる所だ。
「ふぅ……」
自販機で買ったMAXコーヒーを一口飲み、今日の事を色々と回想してみる。
恥ずかしくもあり、嬉しくもあり、色んな気持ちが混ざった不思議な感情が俺の胸中を包んでいた。
そんな俺に向け、唐突に後ろから声がかけられる。
「あ、やっぱりここにいた」
跳ねるように驚いた俺はその声に振り向く。
そこには、白百合の髪留めを髪に刺した由比ヶ浜がいた。
「由比ヶ浜……どうしたんだよ、てっきりみんなと一緒に……」
「ヒッキーの事、迎えに来たんだよ」
「迎え?」
「そ、みんなに呼んできてって言われてさ」
「そっか」
「うん……ヒッキー……今日は本当にありがと……」
「礼なら葉山や雪ノ下に言ってやれ、実際、俺はただ料理作ってただけだし」
「そんな事ないよ……」
「あたしね、本当に嬉しかったんだよ」
優しい眼差しで由比ヶ浜は続ける。
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