八幡「異本・たとえばこんなバースデーソング」
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32: ◆A95oCT.s2k[sage saga]
2017/06/18(日) 18:53:59.02 ID:/+LAMdvF0
「陽乃さん、ありがとうございますっ」

「姉さん……」

「比企谷くんとガマハちゃんには雪乃ちゃんもお世話になってるし、それに、雪乃ちゃんに新しく出来たお友達もいる事だしね」

 言いながら一瞬、陽乃さんは相模に目を配ると、アイスコーヒーを飲み干し、鞄を手に席を立つ。


「じゃあ、わたしはもう行くね。また今度、みんなで遊びましょ」

 それだけ言うと、陽乃さんは雑踏に向けて足を運ぶ。

 その後ろ姿を見ながら、相模は緊張が解けたように溜息をついた。


「……緊張したぁ……」

「お前、よくビビらなかったな」

「正直驚いたわ、あの眼の姉さんを前に怯えずにいるんですもの」

「まぁ、確かに緊張したけど……別に嘘付いてるってわけじゃないし、普通でしょ」

 僅かに照れる顔をしながらチラシを手に、相模は立ち上がりそう言った。


「さ、早くお店行こ」

 そして、どこか軽い足取りで雑踏へと歩み出す。

 その背を追うようにして、俺たちもまた、相模の後に付いて行くのだった。


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