八幡「異本・たとえばこんなバースデーソング」
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30: ◆A95oCT.s2k[saga]
2017/06/18(日) 18:50:17.12 ID:/+LAMdvF0
「あっれぇー、雪乃ちゃんじゃない」

「あー、陽乃さん!」

 声に振り向く、そこには雪ノ下の姉の雪ノ下陽乃さんの姿があった。

 涼しそうなロングのスカートにやや胸元の開いた白いブラウスを着ており、それが元より備わっている気品をより引き出している一方、その佇まいがどこか妖艶な雰囲気すら醸し出していた。

 意外な人物の到来に俺、雪ノ下、相模の間に少しばかりの緊張が走る。

 そんな俺達の気なんてお構いなしといった様子で陽乃さんはアイスコーヒーを手に俺達のテーブルに座る。そんな陽乃さんを、雪ノ下が怪訝の表情で見ていた。


「姉さん、どうしてここに」

「そんな恐い顔しないでよー、私だって、たまには一人で買い物ぐらいする時もあるって」

 雪ノ下の視線を流すように陽乃さんは話を続ける。

 その合間を縫い、今度は小町が陽乃さんに挨拶を交わす。


「陽乃さん、やっはろーです」

「うん、小町ちゃんやっはろー、比企谷くんも、やっはろー」

「……うっす」

 そのにこやかに交わされる挨拶の裏を読む様に、俺は一言だけ返した。

 やはりこの人はどうも苦手だ。自分の思考は一切悟らせない癖に、こちらの一挙手一投足から全てを読み取るような視線を投げかけて来る。

 そうして一人一人を見るようにして、陽乃さんは相模に目を付け、話しかけていた。


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