5: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 15:22:06.15 ID:FNohgaRnO
グゥ〜。
お腹の虫の音が鳴って目が覚めた。あれはなんだったんだろう。何か、何かあったような……。
そういえば、そろそろお昼か……。そういや、引っ越してからもんじゃ作ったことなかったなあ。
6: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 15:28:00.96 ID:FNohgaRnO
下に降りていくと、誰かが座っていた。あれ、鍵は閉めたはずなのに。
今日はお店はやってないことを伝えようと、近づいて見ると、頭にお団子が2つ。よく知ってる人だった。
「らぁら?」
「あ、ドロシーさん……」
7: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 15:32:39.50 ID:FNohgaRnO
そういえばもんじゃ作るために下に降りたんだった。らぁらいるけどどうしよ。
「そうだ!今からもんじゃ作ろっかなって思ってたんだけど、食べてく?」
「……うん」
「よっしゃ!」
8: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 15:38:58.93 ID:FNohgaRnO
もんじゃがうまく出来上がった。久々なのになかなかやるじゃん僕。
「ほい!お待たせ!ドロシー特製もんじゃだよ!」
「……ありがとう、ドロシーさん」
「おう!」
9: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 15:43:41.69 ID:FNohgaRnO
「……いただきます」
もんじゃを食べるらぁらを見るのは久しぶりで、昔はよく食べさせてたのになんか新鮮に思える。
「美味しい……」
10: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:03:10.69 ID:FNohgaRnO
「ううん!ごめん!なんでもない!」
そう言いながら慌ててらぁらは涙を拭う。
「……本当に?」
11: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:09:16.48 ID:FNohgaRnO
「ありがとうドロシー、じゃあ私帰るね」
「こちらこそありがとならぁら、気をつけろよ」
「……うん」
もんじゃを食べ終わったらぁらは家に帰るみたいで。普通にいつも通り見送る。
12: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:18:10.88 ID:FNohgaRnO
気がつくと僕はらぁらの手を掴んでいた。もう無意識だった。
「ドロシーさん、離して?」
「ごめん」
「ごめんって言うなら、離してよ」
13: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:22:55.62 ID:FNohgaRnO
「ドロシーさん、なんで離してくれないの……」
「ごめん……」
「せっかくドロシーさんのこと、どうでもいいって、思えるようになったのに、こんなの、んっく、ずるいよ……」
らぁらのすすり泣く声が聞こえる。らぁらがどんな思いだったかやっとわかった。だから、僕は「ごめん、ごめんね」って謝ることしかできなかった。
14: ◆2tw7Ji6IluEW[saga sage]
2017/06/17(土) 16:30:21.63 ID:FNohgaRnO
──大学はわざとパラ宿から遠いところを選んだ。今まで僕は色んな人に迷惑かけてきた。だから誰にも頼らなくていいようにした。
レオナとか家族以外には誰も教えなかった。嘘をついた。だから、パラ宿駅で見送りに来たのは家族だけだった。
28Res/11.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20