18: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:22:13.29 ID:yFIcZ1s10
彼は淡々と答えると、部屋の後方の壁に寄り掛かった。どうやら、このまま見続けるつもりらしい。その手には何かが握られていたが、私には何が握られているのかは見えなかった。
「……止めに来たんですか」
「止めになんてこないよ、志保が嫌がったからな。ただの観察だ、観察」
「……なんでですか?」
「プロデューサーが、担当のアイドルの能力を把握しようとするのはおかしいか?」
プロデューサーさんは、いつもより少し邪悪にほほ笑んだ。そう言われては、私にはどうすることもできない。いや、邪魔されないのなら別にいても問題はないのだが。
憤ってしまった心を、深呼吸を一回することで押さえつけ、向き直る。
その後、メトロノームと私の音が再び交差した。
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