17: ◆SESAXlhwuI[saga]
2017/06/16(金) 19:21:25.50 ID:yFIcZ1s10
1、2、3、4……
私は一心不乱に踊る。昨日のケガはまだ癒えきったとはいえないが、こんな所でへこたれてなんていられない。まだ踊れるのだから、やれるだけのベストを尽くさなくては。
無心にリズムを取りつつ舞う。ダンスの得意なアイドルとはうってかわって、まだまだたどたどしいという自覚はあったけれど、それでも少しずつ上手くなっているのを感じていた。
――よし、これなら!
汗の玉ばかり浮かんでいた顔に、喜びの表情が現れる。他の人が見ても、ほんの少ししか変わらないような成長も、今の私には宝物のように見えた。
テストでいつもより10点多くとった子供のように心が弾む。やっぱり、この自主レッスンは無駄なんかじゃ――
ガチャリ。
急な物音に振りかえる。視線の先では、人影が扉を閉める様子が展開されていた。
「……何やっているんですか、プロデューサーさん」
「別に。ちょっと踊ってる様な音が聞こえるなーって思ったから来ただけだ」
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