8: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:37:22.39 ID:XeQ2hXzAo
答える私の表情を見て、プロデューサーは苦笑を浮かべ。
「いや、なんかにやけてるので、またすべるダジャレ思いついたのかなあ、って」
9: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:39:05.39 ID:XeQ2hXzAo
午後。
レッスンルームへとお届けされ、プロデューサーは事務所へと戻る。
書類仕事などなど。事務所に帰れば帰ったで、仕事は山ほどあるそうな。
ご愁傷さまと思いつつ、レッスン着に着替える。
10: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:39:58.12 ID:XeQ2hXzAo
「それでは」
夜。
どうにか仕事をやっつけたプロデューサーと連れ立って、飲みニケーション。
11: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:41:22.83 ID:XeQ2hXzAo
いつの頃からだろう。
こうしてお酒がおいしいと感じるようになったのは。
ほろ苦いような、焼けるような。それでいてどこか甘ったるさがあるような。
そんな味とも言えない味を、今の私はおいしいと感じる。
12: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:42:08.25 ID:XeQ2hXzAo
「今日、ふと思ったんです」
私はプロデューサーに打ち明ける。
13: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:43:01.10 ID:XeQ2hXzAo
スカウトされたころの私を、思い浮かべる。
「最初はあまりに別世界で、不安ばかりで。自分を出すことなんて無理だって、ずっと思ってました」
「でも今は、こうしてアイドルをやっている自分以外の自分が、本当に想像できなくて」
14: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:43:33.38 ID:XeQ2hXzAo
「プロデューサーにしてやられたな、って。まったくひどい人ですね、プロデューサーは」
プロデューサーもつられて、ジョッキを開ける。
15: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:44:18.75 ID:XeQ2hXzAo
きっと。
こうして楽しく日々を過ごせるのは、プロデューサーのおかげでもあり、私を応援してくれる沢山のファンのおかげでもあり。
事務所のみんなや、支えてくれるスタッフのおかげでもあり。
なにより、私自身のおかげ。
16: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:44:56.43 ID:XeQ2hXzAo
ひとつ年を経ても、私は、私。
いつものスタイルで、私はファンの皆さんに私自身を、届ける。
それが、私らしさ。
17: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:45:22.62 ID:XeQ2hXzAo
(おわり)
18: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2017/06/14(水) 23:46:22.11 ID:XeQ2hXzAo
これで終わりです。お疲れさまでした。
楓さんはたぶん、いつも変わらない。そんな気がします。
皆さんの琴線に触れれば幸いです。
では ノシ
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