5:名無しNIPPER[sage]
2017/06/11(日) 14:13:52.74 ID:6ZN736J50
「ごめんなさい、ミミちゃん」
今にも泣き出しそうな表情でトトリは告げてきた。トトリはアールズからの派遣に応じた。結果だけを見ると私との約束を破ることになる。
「仕方ないわよ」
大丈夫、私はきっと笑えているはずだ。
「私は全然気にしてないわ。そっちでも頑張ってきなさい。」
それでもトトリはしょんぼりと俯いている。ああもう、この娘にこんな顔をさせてはいけない。ましてやその原因は自分にあるのだ。
どうしようか、数瞬迷った後、私はトトリを抱きしめる。
「そのうちアールズにも遊びに行くわ。その時に腑抜けた仕事してたら、承知しないわよ。」
ああ、私らしくない、私らしくない。こんなこと、絶対に後で後悔する。しかし、
「ありがとう、ミミちゃん。私頑張るから」
きゅっ、とトトリは腕を私の背中に回して抱き返してくれた。トトリの体温が、匂いが、心音が心地良い。
「 」
その言葉を耳元で囁かれると愛しさで胸が締め付けられ、戻れなくなる。もうトトリは私の横に居ない。一人だ。一人で生きていかなければ。その言葉は聞いてはならない。理性らしきものが私を強引に眠りから引きずり出してくる。
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