72:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 19:55:29.37 ID:YrwqVrym0
日菜の残していった言葉が、残響のように頭の中で響いていた。
日菜があんなふうに感じているなんて…思いもよらなかった。
73:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 19:57:15.65 ID:YrwqVrym0
私は、どこかで常に日菜のことを恐れていた。
私がギターを始めたことだってとどのつまりは、日菜に対する劣等感の呪縛から逃れようとしてのことだった。
74:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 19:58:17.80 ID:YrwqVrym0
「何があったか‥聞かせてくれる?」
私はお母さんに今までのことを全て話した。
75:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 20:00:12.31 ID:YrwqVrym0
「紗夜、あなたたちがまだ小学校のとき、テストで100点をとったら好きなものを買ってあげるって‥私が言ったこと憶えてる?」
「うん‥でも私はとれなくて、日菜は100点だった」
76:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 20:03:31.33 ID:YrwqVrym0
「でもね…日菜は私のところに来てなんて言ったと思う?」
「あの子、お姉ちゃんとお揃いの靴がほしいって言ったのよ♪」
77:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 20:07:52.98 ID:YrwqVrym0
私はお母さんに好きなものを言ってごらんと言われても、答えられなかったのだ。
自分は100点をとれなかったのだから、そのご褒美には値しない‥と
78:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 20:10:04.10 ID:YrwqVrym0
それで…紗夜はどうしたいの?」
「えっ…?」
79:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 20:13:12.18 ID:YrwqVrym0
「資格?!そんなもの…誰の許可が要るというの?」
「あなたたち姉妹が仲直りをすることに、誰が異論を唱えるというの?」
80:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 20:15:41.36 ID:YrwqVrym0
「……こうしていると、あのテストのすぐ後、日菜が行方不明になったときのことを思い出すわね‥」
「あなた普段はしっかりしてるのに、日菜のこととなるとわたしとの約束も忘れて飛び出していっちゃうんだからっ!」
81:名無しNIPPER[saga]
2017/06/09(金) 20:16:55.64 ID:YrwqVrym0
「お互いのことが分かり合えなくてぶつかった。そんなの、よくある姉妹喧嘩じゃない♪」
「紗夜?あなたが日菜に抱くその感情は、日菜と対等でありたいと願うから‥」
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