89:名無しNIPPER[saga]
2017/06/14(水) 17:55:51.05 ID:VqWHRdm5O
俯きながら出て来た曜ちゃんが、驚いていた。
「梨子ちゃん……?!」
「よ、ヨーソロー」
「ヨーソロって……なんでいるの!?」
なんでって、どう言えばいいのかな。
「ほ、ほら、曜ちゃんが私のメッセージ無視するし、先に行くって言ったのにいないから、ね?」
「それは、悪かったけど、そんな事で……え、というか、どうしてここが分かったの、あ……鞠莉ちゃん、だね?」
百面相しながら、曜ちゃんが自己完結していく。
「うん」
私もぎこちなく微笑む。
ポケットから、鞠莉さんの地図を取り出してみせた。
「……平気なの?」
曜ちゃんが言った。
「私が? どうして」
「だって、自分を刺した相手がいるんだよ。恐ろしくないの」
曜ちゃんは、私が今にも発狂してしまうんじゃないかって思ってるのか、慎重に聞いてきた。
「大丈夫、曜ちゃんがいるもの」
「そ、それ、答えに、なってない」
「曜ちゃんは、会えた?」
私の質問に、嫌な顔一つ見せず、曜ちゃんは首を振った。
「ううん、会いたくないって。ただの旅行に終わっちゃったよ。あははっ」
165Res/122.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20