71:名無しNIPPER[saga]
2017/06/14(水) 11:47:07.41 ID:N3+S3TwnO
一呼吸おいて、
「グループがたくさんあるんですよ。みんなそれぞれに輝きたい理由があって、精一杯努力してて、必死に追いかけてて、だから、私はスクールアイドルが好きなんだって、思うんです!」
「そう……あの子、何も教えてくれないから聞けて良かった。きっと、そんな気持ちがあの子に届いてるのね」
母親が小さく笑った。
「ごめんなさい。ちょっと、バカにしてた所があったの。女の子の追っかけなんてって。改めないとね……反省するわ」
色々な物語があるんだ。
でも、それを知らなければ、存在しないのと一緒で。
私達は、どれだけの事に気付けるのかな。
学校に着いて、中には入れないから、そのまま正門で見学してもらった。
二人は、近所で何か食べてから帰るということで、私達は別れの挨拶をした。
バスの中で、千歌ちゃんが梨子ちゃんにどんな話をしたのか聞いていた。
「特に、その、当たり障りのない事よ。好きな曲とか、東京の話しとか」
「ふーん、つまんなーい、ねえ、曜ちゃん」
「そうだねえ」
「二人だって、急に知らない男の子となんて、会話が弾まないでしょ」
そうかな。
その割には、けっこう盛り上がっていたように思う。
梨子ちゃんって、最初は警戒するけど、すぐに慣れるし。
だいたい、あっちは元々梨子ちゃん推しなんだから、もっと警戒して喋っても良かったんじゃないかな。
「曜ちゃん、さっきから何か静かじゃない?」
千歌ちゃんが言った。
「え、そう? お腹空いたからかな」
梨子ちゃんが笑う。
「もー、千歌ちゃんみたいな事言って」
「梨子ちゃん、ひどくない?」
「そう?」
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