70:名無しNIPPER[saga]
2017/06/14(水) 11:08:20.67 ID:N3+S3TwnO
どうやら、元々は私のパパに頼んで、高校を訪れる予定だったらしい。
観光してもらえるのは、正直、地元を好きになってくれる人が増えるようで嬉しい部分もあった。
それは、千歌ちゃんも同じで、前を歩く梨子ちゃんと男の子を見ながら話していた。
「スクールアイドル、沼津にもあるなんて知らなかったわ」
二人は東京から来たそうだ。
千歌ちゃんが食いついたけど、
「私はそういう事詳しくないの。息子がハマってて、何年も会わなかったけど元旦那が急に亡くなった報せ聞いて、息子のショックも大きかったんだけどね、沼津って聞いてちょっとあの子元気になったのよ。仕事もしないろくでもない男だったけど、あんなんでも父親だったってことね……ああ、ごめんなさい。こんな話しちゃって」
だから、最初見た時あんなに影を背負っていたのか、と思い返す。
それに、梨子ちゃんと話している時、別人みたいに喜んでいたのも頷ける。
「男の子って単純だからね、可愛い子に笑ってもらえただけでも、案外頑張れたりするのよ」
母親自身もきっと、私たちには理解できない大人の事情を抱えていたのだと思う。
千歌ちゃんにも私にも、まだ、それは分かんない。
ただ、どうにもできない事がこの世界にはある。
それ以外の、どうにかできる部分を一生懸命繋いで前を向くことも時には必要で。
そうして進むことで、今まで見えていなかった希望への軌跡、あるいは、それに似たものに繋がっていくのかもしれない。
千歌ちゃんが母親の手を取った。
母親が驚く。
「私達、そんなに凄いスクールアイドルじゃないんですけど……、でも、みんなを笑顔にして輝かせたいなって思ってて、沼津の人達の温かさとかも知って欲しいなって。私達がラブライブを目指していることが、誰かを元気にしているのを聞いて、今、とってもとっても嬉しいです! きっと、梨子ちゃんも同じだと思いますよ!」
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