56:名無しNIPPER[saga]
2017/06/12(月) 00:20:15.40 ID:7LsMIviIO
「ない」
私ははっきりと、言った。
「あるね!」
千歌ちゃんは、全く聞いてなかったのか、そう言った。
「ち、千歌ちゃん?」
「はい、テイクツー」
「テイクツーって」
「ないなら、私から言うね……私は、今、曜ちゃんの事が羨ましい! すっごくすっごく羨ましい! できるものなら、私は曜ちゃんになりたい! でも、無理だ、だって、私は千歌だもん。千歌は曜ちゃんにはなれません……だから、私は曜ちゃんを乗り越えて、立派な高海千歌になるよ! だから、曜ちゃんも、私を乗り越えて、立派な渡辺曜になって!」
「ま、また訳の分からない事を」
「ほんとに? 分からないの、曜ちゃん?」
千歌ちゃんが言った。
彼女は、詰まる所何も知らない。
なのに、全てを見透かすような目をする。
こらえて、曜ちゃん。
千歌ちゃんは、何も考えちゃいないよ。
野生の勘ってやつだ。
いつもそうだ。
彼女の勘は当たる。
165Res/122.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20