2:名無しNIPPER[sage]
2017/06/02(金) 11:19:40.82 ID:VPQvh9xf0
そう思うようになったのは何時頃からだっただろうか。この儚い願いは、心の空へ投げ出され、雲に乗って飛んで行く。
心の空はとても曇っていた。もしかしたら、私は、その雲を払いのけ、綺麗な星空を見たいのかもしれない。
この願いが届いなら、空はきっと晴れるに違いないって。
そしてそこには、私だけじゃなくもう一人、居なくちゃいけない人がいて、大きなクリスマスツリーの下で、満遍なく空に広がる沢山の光に照らされて、それで、それで―――。
3:名無しNIPPER[sage]
2017/06/02(金) 11:27:08.53 ID:VPQvh9xf0
ピピピ――。
ピピピ――。
ピッ……。
4:名無しNIPPER[sage]
2017/06/02(金) 11:31:29.82 ID:VPQvh9xf0
『ワンダーガイ』
ヒーローものの、少年漫画。
悲哀を背負いながら、戦えるのが自分一人であったとしても、戦い続ける正義の味方。
彼は、みんなの想いがあるから頑張れると、一人ではないんだとそう言った。
5:名無しNIPPER[sage]
2017/06/02(金) 11:33:04.92 ID:VPQvh9xf0
だって――。
「悟っ……」
6:名無しNIPPER[sage]
2017/06/02(金) 11:33:44.34 ID:VPQvh9xf0
需要ありますか、これ
7:名無しNIPPER[sage]
2017/06/02(金) 11:46:34.07 ID:VPQvh9xf0
悟が目を覚まさなくなったあの事件の日以来、私は、毎日の様に、悟の眠る病院へと通っている。
私ももう中学二年生、実に二年の時間が経過していた。
そんな私を見てか、ケンヤ君や悟のお母さんは私を心配しているようだった。
自分でもみっともないことくらい、わかってる。
8:名無しNIPPER[sage]
2017/06/02(金) 11:49:33.13 ID:VPQvh9xf0
普通の女の子としての自由。
それを悟は私に与えてくれた。
でも、私は普通の女子中学生としての生活を歩んでいるとは、決して言えない。
その事への後ろめたさもあって、私は自分が本当に価値ある存在なのかと、自身に問い質してしまう。
9:名無しNIPPER[sage]
2017/06/02(金) 11:51:06.12 ID:VPQvh9xf0
そしていつしか―――。
「私じゃなくて、悟に助かって欲しい」
10:一応「僕だけがいない街」のSSです。[sage]
2017/06/02(金) 11:55:51.69 ID:VPQvh9xf0
こんなの、悟に聞かれたら、馬鹿って言われるに違いない。
でも、それを聞いてくれる悟は、もうずっと眠ったままだ。
だから私は、『もしあの時に戻れたなら、悟を拒絶したい』そう思うに至っていた。
私が例え虐待され続けて、もしそれで死んでしまって、そんな未来があったとしても、悟には生きていて欲しいんだ。
そう思えるだけのものを、私は充分に悟から貰った。
11:衝動的に書き始めたので書き溜めないです。遅いかも、許して。[sage]
2017/06/02(金) 11:57:46.42 ID:VPQvh9xf0
それでも。
私は、思わずにはいられないのだ。
12:なのでモチベが続く限り、需要がある限りは書いていきたい[sage]
2017/06/02(金) 12:00:46.43 ID:VPQvh9xf0
「あ……。目、ちょっと腫れてる」
歯磨きをしながら鏡を見ると、私の瞼は赤く腫れていた。
「……一限目は遅刻してくべか」
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