7:名無しNIPPER[sage]
2017/05/25(木) 23:37:25.54 ID:FJ75OzKBo
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疲れた夜の帰り道。うすぼんやりとした街灯の下、昨夜の露天商が目に入った。
またも冷やかし半分で近寄ると、小汚い机を前にした店主の女がワケ知り顔で笑いこう言った。
「お兄さん、困ってますね?」
「ああ、困ってる」
「服が欲しいと」
「思ってる」
「では、こちらの商品なんてどうでしょう」
女が言って取り出したのは、小さなクローゼットだった。
いわゆるお人形遊びで使う大きさで、見た目もしっかりしたやつだ。
パカッと扉を開けて見てみれば、中には可愛らしい服が何着か、ハンガーと一緒に吊られていた。
「いくら?」
女が指を三本立てた。
俺はズボンのポケットから小銭を出すと、机の上に放り投げた。
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