5:名無しNIPPER[sage]
2017/05/25(木) 23:34:06.74 ID:FJ75OzKBo
「ぴー?」
こくり、首をかしげて甘えたような声を上げた。
どうやら抱っこ……もとい、俺に持ち上げてもらいたいらしい。
いいともいいとも、そんなことぐらいお安い御用さ。
「ああ、でもちょっと待ってな」
「ぴ!」
元気な返事。素直な性格じゃあないか。
俺はカップ麺にお湯を注いで蓋すると、つまみあげたまゆをその上に置いた。
「ぴ、ぴぴ!?」
おーおー、困ってる困ってる。「動くなよ、絶対だ」言って、ニヤニヤとまゆを見下ろす。
まゆは蓋の上で熱さにジッと耐えている。
動けばプラスチックの蓋は軋み、最悪熱湯を辺りにドボンだ。火傷どころじゃ済みはしまい。
「お前も運が無い奴さ。悪い飼い主に買われちまって」
言って、自嘲する。まゆはただ俺を見上げるだけだ。
嗜虐心が満たされる。ゲスな性格だと笑う。
三秒待って、俺はようやくまゆを持ち上げた。
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