3:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 22:10:41.31 ID:tRZUKNjf0
二人の馴れ初めも私は知っていて、その後惚気話もいくつか聞かせてもらった。
その日はおめでとうヨーソローと言うことで、3人でケーキを買って千歌ちゃんの家でお祝いした。
ちょっとだけ気になったのは、二人が私に気を遣って仲間外れにしないような空気を出していたこと。
それと、私自身が、心からお祝いできなかったこと。
パーティーを終え、千歌ちゃんが間違ってお酒を飲んで酔いつぶれしまったのでそのまま寝かせておいた。
家を出て、バス停まで梨子ちゃんと二人で歩いた。
「やっぱり、曜ちゃんに言って良かった」
梨子ちゃんが言った。
「ええー、もう、それはさっきも聞いたよ」
「だって、怖かったもの。千歌ちゃんの気持ち、私ちゃんと受け止めきれてなかったから。それで、付き合うっていざなったけど、この危うい関係を誰がいいよって認めてくれるだろうって思ってた。そしたら、一番信頼できる曜ちゃんがそれを言ってくれたの。だから、本当に良かった」
梨子ちゃんは、暗がりでも笑顔なのが分かった。
私は、海の音を気にしている風を装って、海岸の方を向いた。
「そう、なんだ」
「ねえ、曜ちゃん。千歌ちゃん、取られたって思ってない?」
梨子ちゃんが言った。
「なんで……そんなこと聞くの?」
「私が、曜ちゃんだったら、そう思うよ」
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