4:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 22:18:15.89 ID:tRZUKNjf0
「思っても、ないよ」
私は、灯台を見つめた。
暗い夜の海辺を横ぎっていく光を眺めた。
「思ってないなら、いいんだけど、ごめんね」
そんなこと思ってない。
「そりゃ、寂しい気持ちはあるにはあるけどさ、嬉しそうな二人の顔見てたら……そんなの吹き飛んじゃったよ!」
私は梨子ちゃんの正面に回った。
「ごめんね、私、ちょっと混乱してたのかも。嫌な心配させてごめんね、梨子ちゃん」
梨子ちゃんを抱きしめる。
「よ、曜ちゃん、苦しい」
「あ、千歌ちゃんに怒られちゃうね、へへえ」
「そんなことないよ。千歌ちゃんは、こんなことで怒ったりしない」
「そーかな、案外、嫉妬深いかもよ」
私は、そう言い返す。
言いながら、自分の事だと心の中で笑ってしまった。
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