5:名無しNIPPER[saga]
2017/05/21(日) 22:36:31.41 ID:tRZUKNjf0
「それにしても、教室でも怒らないでねって言ってたし、梨子ちゃんは普段私の事、どんな風に見えてるの〜?」
冗談っぽく言ってみたつもりだったのに、体を離した梨子ちゃんは真面目な顔をしていた。
「友だちのこと、凄く大切に思ってくれる子ね、曜ちゃんは。私の事も、千歌ちゃんのことも、いつも楽しませてくれる。もっと前に出てもいいのに、少し後ろに立って、背中を押してくれたりするの」
「えー、すごい高評価いただいてしまいましたな。梨子ちゃん、私あげれるものないよ」
そう言われたのは素直に嬉しかった。
「だから、嫌なら嫌って言えない時もあると思う」
梨子ちゃんが私の右手を握りしめた。
恐くて、私は後ずさった。
「そういう時もあるかもね。でも、それってきっとみんな同じだよ。あ、梨子ちゃん、バス来ちゃうから行こう」
私は、そのまま梨子ちゃんの手を引いた。
「よ、曜ちゃん」
「梨子ちゃんは気にしーだな〜、千歌ちゃんを見習わないと」
「私、これでも真面目に」
「うん、知ってる。梨子ちゃんて、いつも真面目。でも、なんでもかんでも真面目に考えてたら自分のやりたいことできなくなっちゃうよー」
「それは……そうだけど」
「それとも、何か迷ってることがあるの?」
梨子ちゃんが、どうしてこんなに気にするのか分からない。
それで、自分が傷ついてもいいんだろうか。
「あ、ううん……えっと」
「どっち」
「その、千歌ちゃんはちょっと、ミーハーな所があるから」
梨子ちゃんは小さくそう言って、
「曜ちゃん、良かったら、これから、アドバイス……お願いね」
「うん、任せて」
私は頷いた。
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