107:名無しNIPPER[saga]
2017/06/04(日) 17:59:32.80 ID:wAEe1nHVO
練習後、曜ちゃんの事がつい気になってしまい、電話してみた。
「出るかな……」
千歌ちゃんがベンチで足をぶらぶらさせている。
膝には絆創膏が張ってある。
慣れないステップを踏んで、足がもつれてこけてしまったのだ。
ひょこひょこ歩いていて、こちらもこちらで心配ではある。
プツ――、と電話がつながった。
「あ、曜ちゃん?」
電話の向こうで、何か物音。それから、ガラスか陶器が割れるような音が聞こえた。
「え? 曜ちゃん? どうしたの? 大丈夫!」
音はすぐに止んだ。
それから、先輩、と呼びかける少女の声。
携帯からは、何度も、先輩、先輩、先輩と声が聞こえていて、それがたまらなく怖くてつい遠ざけてしまった。
肩を掴まれる。びくりとして振り向くと、千歌ちゃんが眉根を寄せていた。
「どうしたの? 何かあったの?」
「わ、分からない」
千歌ちゃんと二人で携帯に耳を傾けた。
もう、携帯は切られていた。
再度かけ直してみたが、繋がらなかった。
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