ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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91:名無しNIPPER[saga]
2017/05/26(金) 22:04:52.79 ID:E8SB8aRMo

光陽園駅前まで来ると、七重は、

七重「あ、ここでいいです」

タクシーが停止し、七重は前後を確認して降りた。

七重「多丸さん、ありがとう。お二人とも、また遊びにきてくださいね。
   サキ、じゃあ、また明日」

サキ「うん、じゃあ」

タクシーが緩やかに発進し、手を振る七重が遠ざかる。

七重にしても、いったい涼宮家にはどれくらいのお客さんが来てるのだろう。
最近はわたしもつられて人の縁が次々に繋がっている気がする。
広がる友達の輪、という言葉が勝手に頭に浮かんでいると、

森「ほんとうに忙しいところをありがとう。すこしだけ時間をいただくわね」 

隣の森さんが柔和ながら凛とした微笑みを浮かべていた。
ああ、いいなあ。スマイルだけでこんなに心の凝りがほぐされる。
穏やかな言葉の響きだけで頭の後ろが心地よくぼうっとしびれてしまう。

サキ「いえ、こちらこそ。時間を割いてもらってありがとうございます」

森「古泉があなたが疲れてるみたいだ、って心配してたわ。
  めまぐるしいほど、色々なことが立て続けに起こったものね。
  ――頑張りすぎないように、自分の時間も大切にしてね」

まだ戦力にもなっていないわたしを心配してくれる。
柊さんと森さんに、何か申し訳なく、ありがたい気持ちになった。



市内の中心部にある北口駅の、ロータリーでわたし達は降りた。
電車に乗るのかな、と思うと、目の前の喫茶店に案内され、
森さんに続いてわたしも自動ドアに迎え入れられる。

店内は落ち着いた、少しレトロな雰囲気だ。静かにクラシック音楽が流れている。
席につき、注文をすますと、

森「これ、あなたに長門さんから」

大事にしてね、と手渡されたのは、あの鈍く光る不思議なカギだった。



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