ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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85:名無しNIPPER[saga]
2017/05/24(水) 20:52:21.62 ID:vXVXQH+So


駅前でおじさんと別れ、スーパーまで向かいながら、
わたしは今の、今までのわたし達のことを考えていた。

おじさんと母は、中学の時からの親友らしい。
異性間に友情は成立するか、という問いに答えは色々あるけど、
一つ言えるのは成立すると互いの結婚式の友人席の光景が、
かなり賑やかな顔触れになるということだ。
もっとも、おばさんもおじさんと一緒に父の結婚式に参列したとも言えるし、
母の場合も然り。まあ、そういう余計な説明は不要なのである。
友情にそもそもアカウンタビリティは存在しないのだから。

父と母は本当は二人で薬局を営むはずだった。
二人は大学で知り合い、一緒にお店を開こうと約束していた。
おじさんが言うには、父と母は大人しいところがよく似ていたようだ。
ただ、どちらかと言うと母のおしゃべりを聞いて、
父が考えたところを返すような関係が印象に残っていた、と。

父は遠い地方の出身だったが、両親があまりこだわりの無い人で、
二人は薬剤師の資格を取ると、揃って関西の企業に就職した。
当初は母の実家近くに部屋を借りて通勤していたが、
開業計画のことを知っていた祖母に勧められ、ちゃっかり二人ともに同居していた。
男のプライドは、と言う人がいるかもしれないが、
父は感情と論理のバランスが取れていて、母との計画の実現のために、
誰にとっても必要のない部分には本当にあっさり、執着しなかったのだと思う。

決して目立たず地味だけど芯が強く、ゆっくりとだが着実に目標へ近づいていく父と、
大人しいところは似ているけど、
めくるめく発想の量とスピードを誇るアイデアマンでもあった母は、
社内での部門は違えど、互いにアドバイスを交換しあい、
それぞれ目覚ましい研究成果を上げていたらしい。

今でも家には、勤めていた会社の人や、大学時代の友人が訪ねてくるけど、
なぜ研究者のままでいなかったのかとよく首を捻っている。
わたしが思うのは父は、祖母や母、そしてわたし達家族の側にいたかった、
母が祖母の側にいられるようにしたかったのではないだろうか。
もちろんそれが理由のすべてとは言わないが、
父は寂しがり屋ではないけど、人が幸せそうな顔をしているのを見るのが好きだから。
とにかくそんな父のおかげでわたしはここにいられる。


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