ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
1- 20
38:名無しNIPPER[saga]
2017/05/16(火) 21:16:56.82 ID:02mMz6wWo
サキ「はい。分かります」

古泉「『機関』には君や僕のような能力者が集まって、
   一くんと連携しながら情報生命体から人々を守るために戦ってるんだ。
   本来与えられた力を応用する形ではあるけどね。
   今日僕はは『機関』の者として君にお願いしにきた。
   我々の一員になって、君の力を『機関』に貸してほしいと」

それまでじっと、柊さんとわたしの言葉に耳を傾けていたおばさんが片手を挙げた。

ハルヒ「古泉くん、ひとつだけ言わせて」

柊さんが黙って頷く。

ハルヒ「サキ、あなたは要するに選ばなきゃいけないの。
    でも逆に、選ぶってことができるのよ。
    ここから先は選択によってはずっと命がけの日々を送ることになる。
    反対に今聞いたことで、
    それに脅かされず今まで通り普通に日常を生きていくことだってできる。
    どちらが偉いとかじゃないわ、全てあなたの意志次第で決められることなのよ」

おばさんは「普通に〜」の辺りで強い目で柊さんに確認をとるような視線を合わせながら、ずっと昔からそうだったみたいに、
わたしや七重に辛抱強く説いて聞かせる時のはっきりと、抑えた口調で言った。

すぐに柊さんがおばさんの言葉を引き取る。

古泉「君は涼宮さんにとって大事な――人だし、君のお母さんのことも、側聞してる。
   君が関わりたくないのなら、以降僕の方から持ちかけたりはしないよ」

話しながらおばさんと目を合わせ頷き合う柊さん。

古泉「でも、閉鎖空間や神人の気配や、
   その他この件に関することで悩んだり困ったりするようなことがあれば、
   いつでも力になる。同じ感覚を持った者だから理解できることもあると思うから。
   あくまで君が、君の人生を歩む上での話でね。
   僕は自分が今していることに誇りを持っているけど、
   涼宮さんが言う通り、どちらの生き方に優劣があるわけじゃないんだ。
   僕個人は、君が心から願うほうを選ぶことにこそ意味があると思う」

そしてジャケットの懐から手帳を取り出し、手早く書き込むとそのページをちぎって、
わたしに手渡した。

古泉「僕の番号だ。いつでも、どんな答えでも、掛けても掛けなくても構わない。
   それじゃ、涼宮さん、僕はこの辺で」

ハルヒ「え、ちょっと。もうすぐ一品出来上がるから、その味見してからにしたら?」

古泉「それは惜しいですね。でも、今日は」

短いながらもしっかりした口調の返答に、おばさんも引き留めるのをあきらめた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
153Res/200.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice