ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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30:名無しNIPPER[saga]
2017/05/16(火) 20:44:32.54 ID:02mMz6wWo
だめにしてしまったごはんは夕飯の会話のネタになってくれた。
元々毎日の食事のおりに逐一近況報告しないたちだけど、
それでもテレビのニュースについてだけ会話するより今夜は救われた。

洗い物をしながらあの少年の顔を思い出す。やっぱり、あの子は七重に似てる。

お風呂の残り湯で洗濯機を回し、また机に向かう。
残りの宿題と復習。予習は学校で、間に合う分だけすることにしている。

階下からの脱水完了メロディに脱衣所に戻り、簡単に浴槽を掃除する。
洗濯物を種々のハンガーに掛けてまとめ、再び階段を上がる。

つっかけを履いてベランダに出ると柔らかな夜風が心地いい。

近所の家々の明かりと街灯が視線を上らせるほどまばらになっていき、
やがて山の中腹を巻くように繋がる道路の街灯や、
時おり通る乗用車のヘッドライトが樹木の覆いから微かに漏れる他に光が見えなくなる。
東西の終点が見えない稜線。それは夜空よりもよほど黒々としている。
わずかに身震いを覚え、いつも以上に手早く洗濯物を干した。

部屋に戻ると、先ほど行き詰まった数学の問題に気分一新取り組む。
お店がやっていけるものかどうか分からないけど、
父の背中を見てきたし、大きなくくりでは同じ仕事につきたい。

今日予習もせずに当てられて、さっぱり答えられなかった教科書の英文。
ノートと文法書をにらめっこしてようやく理解し、ほっとする。
何度か朗読しながらペンを走らせる。こいつは後でもっと可愛がってやろう。

つい深夜になり、区切りをつけることにする。
明日の時間割分一式と今日どうしても解らなかった問題をかばんとバッグに詰め込む。
七重に教えてもらって分からなかったら先生に聞こう。

充実感と同時にどこか娯楽の足りなさを感じながら、着るものを揃える。
写真の中の母に就寝の挨拶をしてから消灯する。
布団に身を横たえながら、今日の残りごはんは冷蔵庫内に移したことを思い出す。

暗い天井を眺めながら、やはり七重に相談しようと思い、まぶたを閉じた。


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