ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/06/04(日) 15:49:41.34 ID:cQX9e7Qho
わたしは凍りつくようだった。
一「言われてみれば確かにそんな気もするな」
実に納得した様子で腕を組みながら頷いている。
「……この空間内だけで数百体はいる。あんた、どんだけ溜めてたの。
他の閉鎖空間内もこれじゃ、応援は望めないな」
この人はこの人で足元を見回しながら、冷静に敵の数を見定めている。
一「まことに面目ない」
わたしは黙っているとおかしくなりそうで叫び出していた。
サキ「面目ない、じゃないわよ!
こんなのどうしろっての、倒せるんなら自分で片付けなさいよ!」
最低だ。
自身の余りの無力さへの苛立ちを一さんにぶつけている。
そのいつもの穏やかな表情の底に確かに苦悩を抱えていて、それでも、
普通なら情緒も意欲も何もかも意味を失ってしまいそうなほどの永い時間を、
母親譲りの双眸にあかるい輝きを宿して歩んできた人に。
いや、もっと醜い。
わたしはひどく怯えていたのだ。
閉鎖空間と神人が在る以上、世界が終わる可能性は厳然として存在する。
たとえ、それを今まで制御できた一さんだって人間だから失敗はありうるのだ。
『機関』の人間なら常にその覚悟をもってここに立っていなければならなかった。
けれど、わたしは。
それだけは出来なかった。
正直、自分に万一のことはあるかもと、その分は腹を括っていたけれど。
七重が、あの笑顔が、消えてしまう、無くなってしまう。
わたしの帰る場所。それだけは。
そんな甘えた考えで「そんなことなどありえない」と現実を見据えることを放棄していた。
ああ。
こんなことなら、やり直せるならせめて七重とちゃんと――――
柊さんの、自分の手持ちの酸素が尽きそうな状況でも、
ただ冷静に目の前の人達の生存の可能性だけを追求する宇宙飛行士のような声が聞こえる。
古泉「いや、一くんがこれ以上戦闘を続行するのはまずい。
この推論でいくと、彼が戦えば戦うほど閉鎖空間の拡大に拍車がかかることになる」
チラッとわたしに目をやって、あくまで客観的に分析するように、
古泉「それに、一くんを責めちゃいけない。
一くんの力を過信して、この事態を予想できなかった我々のミスだ」
返す言葉もない。
「どこかに被害者を降ろす安全地帯は……なさそうね。残念、リベンジのチャンスなのに」
先輩、元気はつらつは頼もしいんですけど、そういう問題じゃ……。
今まで黙っていた森さんが、絞り出すように、
森「仮に被害者を避難させられたとしても、
神人がこの数では……悔しいけど策が無いわ。万事休すね……」
周りの人達に重い空気が立ち込めようとした時、あっけらかんとした声が響いた。
「策ならありますよ」
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