ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
1- 20
125:名無しNIPPER[saga]
2017/06/02(金) 22:04:05.34 ID:dNmk+/4bo

柊さんは完全に虚を衝かれたようだった。

それまで黙って長門さんと柊さんのやりとりを聞いていた少女が、
確固とした口調で語りはじめた。

「それに、本人の意志に関係なく一方的に、
 長門さんがあたし達を甦らせたとでも思ってるの?」

長門さんは最初からずっと同じ表情のままで、黙っている。

「あなたがあたし達を心配してくれたようなことは、承知の上よ」

堂々と胸を張り、そこへ開いた手を当てながら、
 
「あたしが今ここにいることが世界のタブーだってのなら、
 用が済んだらあちらに戻ってやるわ」


その手で自分の真下をぴんと指さす。
このプラネタリウムホールの場合、上も下もないのだが、
自らの天上でなく地底の方を迷いなく指す姿勢にわたしは引きつけられた。


古泉「そういう意味じゃない! 『機関』を挙げて君を守るとも!」

あくまで真面目に論じる柊さんとは対照的に、

「そりゃどうも。とにかくね。みんな、この世界を守るためなら構わないと思ってる。
 あたし達はそう望んで『機関』に集ったんじゃないの?」 

古泉「みんな、ということは……」


「全員、イエスを選択したというわけ」


柊さんはうつむいてしまった。

やがて、

古泉「長門さん、申し訳ない。……ありがとう……」

その声はかすれて声に色がなく、溢れる思いを絞り出すように震えていた。
長門さんは、わずかに頷いて微笑んだように見えた。

長門「そう」

顔を上げた柊さんは一変して、いつもの状況を分析するような口調に戻っていた。

古泉「君が帰ってきたからには、また僕はバックアップに回らなければならないな。
   どうせ、性懲りもなく最前線に向かうんだろう?」

「あら、あたしは長門さんを守る方の役に回ったわよ。
 一樹がエースなんだからその必要はないでしょう。あたし見てたわよ、死んだあとも。
 そうだ、危うくまた言い忘れる所だったわ。森さん、一樹。毎年来ていてくれたわね。
 そのこともありがとう。一樹、あなた、いい人つかまえたじゃない」

悪戯っぽく微笑む少女に森さんと柊さんは呆気にとられているばかりだった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
153Res/200.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice