ハルヒ「古泉くんの子どもだったらあんな放蕩息子に育ってないわよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/05/31(水) 18:52:42.83 ID:LYacroRjo
騒音から切り離され、わたしは一人横断歩道に立っていた。
この広い道路の中で見回しても、情報生命体達の姿も、
機関の能力者達の姿も辺りにはない。
しかし、ビルや道路のあちこちに隕石がぶつかった跡のような穴が空き、
コンクリートの砕けた破片がそこら中に散らばっている。
足元も見ずに駆けだすのは危ない。
漆黒の空を見上げても、紅玉となった能力者は飛び交っていない。
戦闘は終わったのか。違う。
わたしは紅玉化等の能力等が使えないので、実戦に加わったことはない。
しかし、柊さんから一通りのことは教えてもらっている。
閉鎖空間内での戦闘は、敵を攻撃する者、
倒した情報生命体に寄生されていた人を避難させる者など、
幾つかの役割と段階に分かれて行っているが、
基本的に敵を全滅させれば、閉鎖空間は消滅させられるのだ。
いったいどこで戦闘は行われているのか。
とりあえず慎重に、周りを警戒し見渡しながら歩き始めると、
足下からくぐもった爆発音がした。
地下だ。歩道に、地下へ降りる階段があったはずだ。
階段を前にして、なんとなく戦闘が長引いた理由が分かってきた気がした。
この都市の地下街はまるで迷路のようになっている。
ここが戦場なら相手によっては相当厄介だ。
そろりと降りると、意外にも照明がついていた。
中には壊されたものもあるが視界を得るには十分な明るさだ。
この世界は発電所も止まっているはずなのに、なぜか電気系統は大丈夫らしい。
突然、人の怒号と物がぶつかり合うような音が聞こえた。
一刻を争う状況かもしれないとはやる胸のうちを抑える。
ただでさえ許可もなく行動中なのだ。
不要な混乱を招くことだけは少なくとも自分の認識のあたう限り避けなければならない。
曲がり角ごとに肝試しのような心持ちで通路を小走りに行きながら、
この閉鎖空間内で得られた知見を整理し今回の敵のスペックを推察する。
まず地下街に収まりきらないような巨体ではない。また、空を飛ぶことはない。
恐らく飛び道具は使わず、接近戦が得意なほうだ。
地上のあちこちの穴はみんな同じ形をしていたから、
全て機関の能力者の火球が当たった跡だろう。
それは敵が避けた数でもあり、素早い動きをするはずだ。
それでも、幹線道路のような見晴らしのよい場所では遠隔攻撃をできるほうが有利で、
敵は地下へ逃げ込み、戦場が移った。
そして、何より柊さんが応援に来なければならないほど、手ごわい相手だと言える。
たとえば――――野犬のような。
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